1. 導入前の課題
様式が会社ごとに違う
届く注文書は、取引先の数だけ形が違う。同じ項目でも、場所が毎回ちがう。
見ながら打ち直す
販売管理やExcelへ、品名・数量・金額を手で入れる。打ち間違いのあとが、謝罪になる。
読んだあとが残る
OCRで終わっても、奉行・PCAへもう一度入れるなら、手間は半分しか減らない。
2. 注文書OCR連携の仕組み
届く
FAX・メール添付・スキャンを、いつもどおり受け取る。
OCRが読む
発注元・品名・数量・金額・納期を抜き出す。自信のない所は赤く残す。
人が確認
全部自動にはしない。確認してOKを押す。
販売管理へ
奉行・PCA・今の販売管理が受け取れるCSVやシートに揃える。品番の読み替えが要るときは、その表だけ先に決める。
※ 人による最終確認を挟む運用設計により、誤入力リスクを防止します。配送番号の管理など付随業務の連携も柔軟に対応可能です。
3. 導入・運用のポイント
渡す先を先に決める
何を読むかより、奉行・PCAのどの項目へ渡すか。ここが決まると、比較サイトを読んでも迷わない。
最初は数枚
お手元の帳票で読み取りを試す。全部の取引先を一度にやらない。
請求書の事例とは分ける
読み取りから請求書を整える事例は、別コラム。こちらは販売管理への入り口。
4. 読み取る前に決めておくこと
受け取る側に合わせた出力レイアウト
奉行・PCAなどの販売管理システムが受け取るCSVデータは、項目の名称や並び順が厳密に決まっています。まず受け取る側の取込フォーマットを確定させ、それに合わせて読み取る項目を設計します。順序が逆になると、「読み取りには成功したのに販売管理に取り込めない」という手戻りが発生します。
品名と品番の対応づけ
注文書に記載された品名や略称が、販売管理に登録されている品番・品名と一致するとは限りません。品名と品番を対応づける変換表をあらかじめ整えておくことで、取引先や取扱商品が増えた際もスムーズに対応できます。
同じ注文書が重複して届いたときの扱い
FAXとメールの双方から同じ注文書が届くケースや、訂正による再送が発生することがあります。「発注番号」や「受信日時」など、重複を判定する基準と優先順位を明確にしておくことで、二重の受注登録を防止できます。
OCRツールは読み取り精度や機能で選ばれがちですが、実務でつまずきやすいのは「読み取った後のデータ連携」です。事前のルール決めを丁寧に行っておくことで、導入後の手戻りや現場の混乱を未然に防ぐことができます。
5. つまずきやすいところ
複数ページにわたる明細
明細行が多い注文書は、2枚目以降に続きます。これらを1件の伝票として連結して取り込むか、ページごとに分けて処理するかを、あらかじめ定義します。
数量と単位の変換ルール
桁区切りのカンマ、全角数字、出荷単位(個・箱・ケース・ロット等)の混在がよく見られます。単位の異なる帳票が混在する場合は、換算や統一のルールを事前に定めておきます。
消費税の計算方式
取引先によって「税込」「税抜」の記載が分かれます。受け取った数値をそのまま渡すのか、販売管理システムの基準に合わせて再計算・端数処理を行うのかを明確にします。
あいまいな納期表記への対応
「10/5」のように年が省略された日付や、「月末」「至急」といった言葉が含まれる場合があります。変換のルールを決めておくか、例外として担当者が目視で確認する欄へ振り分けます。
紙の状態(かすれ・手書きの追記)
FAX特有のかすれや傾き、余白への手書きの追記など、読み取りの確からしさが低くなりやすい項目は、画面上で色を変えて表示し、確認担当者がひと目で判別できるようにします。
取引先の様式は段階的に
初めからすべての取引先の注文書に対応させる必要はありません。送付頻度の高い主要な取引先から段階的に適用し、運用に乗せながら新たな様式を追加していく進め方が、定着への近道です。
取引先ごとに様式や記載のルールが異なる注文書について、事前に運用ルールを決めておくべき代表的なポイントを整理しました。
6. よくあるご質問
すべての処理が全自動になりますか
全自動ではなく、最終確認を担当者が確実に行う運用を基本としています。読み取りの確からしさが低い項目は色を変えて表示されるため、担当者はその箇所を中心に確認・承認いただけます。
いま使っている販売管理システムのまま利用できますか
奉行・PCAなど、現在ご利用中のシステムが取り込めるCSV形式や指定のシートのレイアウトに合わせてデータを出力します。システムの乗り換えは前提にしていません。
テストには何枚くらいの注文書が必要ですか
実際に現場でお使いの注文書が数枚あれば、事前の読み取りテスト(無料)が可能です。自社の様式がどこまで正確にデータ化できるかを、実際にご確認いただけます。
取引先が増えた場合や、様式が変わった場合は
新しい取引先の帳票の追加や、読み取り精度の調整は、月額サポートの範囲で対応いたします。運用の変化に合わせて、継続的にメンテナンスを行います。
年末調整などの申告書類も読み取れますか
年末調整の書類は、給与計算ソフトへの取り込みに特化した専用サービス「年末調整書類OCR」として、別にご用意しております。
他の仕組みとの違い
| この事例 | 注文書OCR。奉行・PCAの取込形に揃える |
|---|---|
| 専用ページ | 料金・無料テスト・配送まで |
| 発注書→請求書 | 読み取りから請求書を整える |
| FAX仕分け | 届いたFAXを振り分ける |
| 年調OCR | 紙の年末調整書類を給与ソフトの形式に |
まとめ
製品比較ではなく、打ち直しをやめること
読むだけでなく、渡す形まで揃える
最後は人が確認する
請求書の整形とは役割が違う
注文書OCRと販売管理システムへのデータ取込について、お気軽にご相談ください
実際の帳票サンプルを用いた無料の読取診断を実施しております。OCR製品の比較ではなく、奉行・PCAへ渡せる形式かどうかを確認します。

